東洋医学では病気が起こる前に身体を調和させることを重要視していて、これを「養生」といいます。飲み物は食べ物よりも簡単に摂取できます。まずは身近な飲料の効能を知り、状態に合わせて試してみてください。

  • 日本酒
    血行を良くして体を温め、食欲を増進してくれます。
    冷えによる腹痛や筋肉のこわばりを和らげてくれます。
    ストレス発散に役立ちます。

  • ワイン
    血行を促進する働きが強いです。

  • 牛乳
    胃腸に潤いを与え丈夫にしてくれるので胃腸の弱い人にオススメ。

  • ココア
    気を巡らせる効果があるので、冷え性や低血圧などが原因で朝の寝起きが悪く朝の寝起きがすっきりしないという人にオススメです。

  • コーヒー
    集中力が無いときに飲むと脳のはたらきが活発になり集中力を高めてくれる。リフレッシュに良い。体の余分な水分を排出してくれるのでむくみ、尿の出が悪いときによいです。

中国茶

PC_sub_drink_19 飲み物中でもお茶はその性質別に効用があり、それを利用することで心と身体のバランスを整え、「養生」につなげていくことができます。特に中国茶は茶葉の種類が豊富にそろっているので、日本でも比較的手に入りやすいものをご紹介します。

 中国茶の主な違いは茶葉の発酵の進み具合によるものです。注目したいのは「緑茶」、「ウーロン茶」、「紅茶」、「プーアール茶」、「花茶」の5種類が発酵度の違いによって性質も徐々に変化していくことです。基本的に発酵度の低いものほど身体の熱を鎮める「涼性」の性質になり、発酵が進むにしたがって身体を温める「温性」に傾いていきます。


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 さらに細かく分類するとこうなります。

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 これらの中から心と身体の健康を考えてお茶を選ぶために押さえておきたいポイントは3つあります。

①お茶の性質 例)普段からのぼせやすい人なら余分な熱を取ってくれるお茶を基本のお茶として選ぶ。
②季節 例)寒い季節には、身体を温めてくれる紅茶を取り入れる。
③食事との組み合わせ 例)会食があって脂っこいものを食べ過ぎた後にはプーアール茶にする。

 さらに、生理痛がある、喉がイガイガしているなど、そのときの体調に合わせて選ぶこともできます。
 身体が必要としているお茶を上手に選んで心と身体のコンディションを整え、そのときの自分に合う飲料や茶葉を見つけて活用してみてください。

体に効く茶葉

冷え症
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 女性に多い冷え性は身体を温める温性の性質をもつ紅茶や花茶がおすすめです。香のよいものを選んで心身ともにリラックスすれば循環がよくなって冷えの解消に効果的です。

むくみ
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 むくみは余分な水分が身体の中にたまった状態になって起こるもの。茶葉には全般的に水分の代謝をよくする作用があるので、どれもむくみの解消には有効なのですが、その原因を考え合わせてお茶を選べば、さらに効果的に症状を改善することができます。

目の疲れ・頭痛・肩こり
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 頭、目、肩などに起こる不快な症状の数々を、漢方では頭部一帯の循環障害としてとらえています。したがってこれらの症状の緩和には、お茶の中でも循環をよくする花茶が有効。さらに原因別にお茶の種類を選べば、より効果を発揮してくれます。

生理痛
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 漢方では生理中の不快な症状は、血のめぐりが悪い「瘀血(おけつ)」の状態によって起こると考えられています。腹部を中心にしたうっ血で起こる生理痛を緩和するには、血液の循環をよくするメイグイホワ茶が効果を発揮します。

便秘
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 便秘の解消には硬い便をやわらかくするために充分な水分の補給が必要。また、胃腸の働きを高めて、身体の新陳代謝をよくする効果のある、発酵度が少し高めのウーロン茶が効果的です。食事と一緒にお茶で充分な水分をとり、予防を心がけましょう。

貧血
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 貧血は身体が冷えやすい人に多いため、漢方的には発酵度が高くて身体をあたためる温性の紅茶が向いています。鉄分補給のために、ドライフルーツをお茶に加えて飲むのもおすすめです。

肥満
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 新陳代謝をアップしてエネルギーの燃焼を促すことと、食事でとりすぎた脂肪の吸収を妨げてできるだけ体外に出すようにすることが必要。ダイエット効果が期待できるといわれるウーロン茶やプーアル茶を試してみましょう。

のぼせ
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 辛いものを食べて身体に熱がこもったり、のぼせてしまったときには、涼性の性質をもつ緑茶や解熱作用のある菊花茶が向いています。穏やかに身体の熱を取り、体内の炎症やほてりを抑えてくれます。

心に効く茶葉

ストレス
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 香のよい花茶やフルーツの香をつけた紅茶は、手軽で効果の高いストレス解消法になります。

イライラ
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 興奮を冷まして神経をリラックスさせる花茶や発酵殿低い緑茶がおすすめです。味と香をゆっくりと楽しんで穏やかな気分を取り戻しましょう。

気分の落ち込み
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 気分を明るくして元気を出すには、身体をあたためて血液の循環をよくしてくれる温性の花茶が効果的。

肌に効く茶葉

しみ・くすみ・くま
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 中国では、肌に表れるしみやくすみ、くまなどは、全て「瘀血(おけつ)」による循環障害としてとらえているため身体をあたためて血液の循環をよくする温性の花茶が力を発揮します。

吹き出物
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 中国ではニキビや吹き出物は身体に余分な熱がこもって皮膚に炎症を起こしている状態だと考えます。基本的には、熱を取り炎症をおさえる菊花茶や涼性の緑茶を使うことが多いのですが、脂肪の分泌をおさえるプーアール茶や、新陳代謝を高めて健康な素肌を保つウーロン茶も効果があります。

当クリニックでは、その時その方に合ったものを、セラピストが直接患者様にアドバイスしております。体質改善にぜひお役に立てていただけたらと思います。

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