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私たちの身体は食べ物によって作られます。良いものを取り入れれば良い身体になり悪いものを取り続ければ問題がおきてきます。また、心と身体はつながっていて食べ物は心にも影響をもたらします。まずは食べ物から整えることが健康を保つ基本となります。

東洋医学では日常の食事によって心と身体のバランスを整え、健康を維持することを「食養生」とよび、大切にしています。その基本は食べ物の持つ「味と性質」から食事を考えることです。食材には五味(酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味)や五性(温性・熱性・寒性・涼性・平性)といった性質があり、その特性を季節や体調の変化に合わせて取り入れることで、食事から身体を整えるのです。


01 実はこうした食材選びは普段からごく普通にやっています。例えば身体や脳が疲れているとき甘い物が食べたくなったり、寒い時期には身体を温める辛い料理がおいしく感じたりします。私たちはその時々で身体が求める食べ物を自然と選んでいるのです。

「食養生」はこうした食べ物の特性を積極的に取り入れ、健康な身体づくりに活かしていきます。

下記の表を参考にして、日頃の食生活に「食養生」を取り入れることで良い身体づくりに役立てていただけたらと思います。

五性

身体を温める、冷やす、という働きを表すもの。「寒性」「涼性」「温性」「熱性」また、寒熱のどちらにも属さない「平性」の5つに分けられます。

五性 主な食材
熱性・温性 身体を温める食材で、気・血の流れを良くしたり、新陳代謝を高めたりする働きがあります。
寒い時期や冷え性の人、疲れやすい人などに。
しょうが、ねぎ、にんにく、玉ねぎ、にら、しそ、よもぎ、シナモン、紅花、唐辛子、桃、胡桃、かぼちゃ、鶏肉、羊肉、牛肉、さけ、あじ、えび、もち米、酒類、紅茶、黒砂糖
平性 冷やし過ぎず、温め過ぎず、寒熱どちらにも属さない穏やかな食材。
常食に適していて。虚弱体質の人・病後・高齢の人などにも安心です。
とうもろこし、山芋、じゃがいも、キャベツ、もやし、人参、黒きくらげ、クコの実、小豆、大豆、ごま、ぶどう、りんご、豚肉、いか、うるち米
涼性・寒性 体内の余分な熱を冷まし、身体を冷やす食材。
ほてり、のぼせなどがあるときに。
きゅうり、セロリ、トマト、苦瓜、大根、ほうれん草、れんこん、緑豆、なす、スイカ、梨、バナナ、あさり、しじみ、わかめ、豆腐、そば、緑茶、はと麦、白砂糖

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五味

五味は東洋医学に基づいた考え方で、それぞれの味が内蔵(五臓)に対応し
ています。
「酸味=肝」「苦味=心」「甘味=脾」「辛味=肺」「鹹味(塩味)=腎」というように分かれて、対応する臓器を調節する作用があります。

五味 主な食材
酸味 筋肉などを引き締める作用があるので汗や、尿の出すぎを防ぎエネルギー放出を防ぐ。
頻尿、下痢、発汗、せきなどに
レモン、梅干し、サンザシ、ヨーグルト
苦味 余分なものを取り去る働きがある。熱を冷まし、炎症を抑え鎮静の手助けもする。
発熱、皮膚湿疹、イライラ、のぼせなどに
セロリ、銀杏、杏仁、苦瓜、ふき、
ごぼう、レバー
甘味 滋養の働きがあり疲労回復を促す。痛みを緩和させ精神の緊張を和らげる
疲れ、虚弱体質、胃痛、頭痛などに
はちみつ、穀物(米・麦など)イモ類、ドライフルーツ、ナッツ
辛味 発汗作用があり身体にこもった熱を出す。風邪のとき
冷え性、ストレス、風邪の初期症状に
唐辛子、しょうが、ねぎ、にんにく、わさび、玉ねぎ、ニラ
鹹味 利尿作用を促し、しこりを軟化させるはれを抑える
リンパ腺、甲状腺のはれ、乳腺症、子宮筋腫などに
海草類(昆布・わかめ・のり)、貝類、みそ

当クリニックでは、その時その人に合ったものを、セラピストが患者様にアドバイスし、皆様の体質改善にお役に立てていただきます。

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